2014年08月13日

埃が降り積もることについて

赤ちゃんが生まれたばかりの家庭に遊びに行く。地に足をつけて本当に真面目に、誠実に着実に蓄積する暮らしを築いている目の当たりにすると、いかに普段形のないものにかかずらわっているかということに直面する。少しの卑屈さとむなしさが、こっち側にある。つくづく自分なんてろくでもないと思う。蓄積しないもの、なくなってしまうもの、消えていくもの、もともとないもの、そういうものにばかり囚われる。形のあるものを着実に蓄積していく樣は眩しいよ。つくづく、色んなものや人にすみませんって思う。ろくでもなくてすみませんって思う。穀潰しですみません。ろくでもねえや。でもね、うつろう人は、うつろう人なりの美しい時間とともにいるよ。そういうとびきりの生命を、知っているよ。街角にたたずむあなたを、知っているよ。私は知っているよ。あなたを映すよ。私が、あなたを映すよ。私はあなたを、あなたがここにいたことを、いた時間を、その跡を、終わりを、続きを、その先を、正確に。できる限り精確に。トレースする。トレースしたい、させてほしいんだよ。
こんな人々に。あなたにも、私にも、彼にも彼女にも、一様に、「時の埃は降り積もる」(『エレニの帰郷』/アンゲロプロス)。雪も。身体に。時間に。その街に。降り積もる。降り積もる。融けていく。消えていく。
posted by hamigoe at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/102359734
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック